整体院と整骨院の違い
整体院と整骨院は、名前がよく似ているので同じようなものかと思われがちですが、実は全く違います。まず整体院は手技によって骨格や筋肉のゆがみを解消するもの。体にゆがみがあると体のあちこちに不調や痛みを生じるため、基本的には体全体のゆがみを正して痛みの原因を取り除こうとします。そのため整体の場合は痛みのある個所に限らず体の全体のゆがみに対処するのが基本です。それに対して、整骨院は対処療法になるので、痛みのある個所などへの治療を行うのが一般的。電気治療や牽引などによって怪我をした場所の痛みを和らげ、治りをよくするのが目的です。この点も、手技による施術が中心で、器具などはほとんど使わない整体とは違う点だといえるでしょう。整骨院は考え方としては西洋医学に立脚したもので、痛みの原因を科学的に解消しようとするため、気の流れやツボといった東洋医学的な要素はまったくありません。国家資格の必要のない整体院と違って、整骨院の開業には資格が必要で、施術を行うためには柔道整復師という国家資格を持っていることが必要です。また、整骨院の施術は医療行為として認められているため、骨折・脱臼・打撲・捻挫などの症状については健康保険が適用されるのも整体院と違います。ちなみに整骨院で健康保険が適用されるのは、これら4つの怪我の治療のみですので、ただの肩こりや腰痛を診てもらうときには適用されません。また、こうした怪我に対する治療行為は認められてはいますが、整骨院ではレントゲンを撮ることができないので、骨折が疑われる場合などは、先に整形外科などに行って診断と治療を受けたほうがよいでしょう。まれに骨折に気づかないまま治療を行ってしまうことがありますが、脱臼などに関しては接骨院の得意とするとことですので、ある程度経験のある接骨院であれば全く問題なく治すことができます。症状によっては接骨院でも軽いマッサージなどを施すことはありますが、あくまで対処療法として患部の痛みを和らげるためで、全身のリラックスを促すようなマッサージではありません。